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ドリームビジョン

ドリームビジョン

インタビュー

事業についてお聞かせください

僕がドリームビジョンで行っていること、そして、これから手掛けたいと思っていることの原型というか想いは、10年以上前から考えてきたことです。平たくいうと、「イノベーションを起こしたい」「世の中に新しい価値を生み出していきたい」ということです。世の中には「非合理的・非効率的・不条理」なことがたくさんあります。それらには、知恵や技術をもって変えることのできるものとそうでないものがあると思いますが、変えられるものを変えていきたいと思っており、それを実現するために「イノベーション」が必要だということです。そして、イノベーションを実現することにより、新しい社会的価値を創造していきたいということです。

具体的に言うと、リスクを取って社会を変えていこうとする人が今以上に現れてくるための「新しい教育(人材育成)システム」や事業を興すための「プラットフォーム」を提供する「投資育成」事業、そして、自らが新しい事業を立ち上げていくことです。

現在は「新しいキャリア」のあり方に目を向けており、誰かが創った収益モデル(事業)ではなく、自ら事業を開発しようという意気込みのある「イノベイティブな人達」が活躍できるステージを提供するという意味での「事業開発」に特化した人材紹介事業を行っています。

また、今までは平石個人として行ってきた創業期およびシード期の事業への参画および投資活動を、ドリームビジョンの「投資育成」事業として展開していくことの準備を進めています。

前職

今日までの流れを簡単にご紹介したいと思います。大学卒業後は、小さな商社に就職しました。その後、コンサルティングファーム、外資系広告代理店を経て1991年3月、市場調査・新規事業開発等を行う「株式会社クリードエクセキュート」を設立し、2000年3月まで経営して参りました。また、その間、「株式会社ウェブクルー(2004年9月に東証マザーズに上場)」というネット上で自動車保険の見積もり比較を提供するベンチャー企業の創業に参画しました。2000年3月には、共同創業者として「株式会社インタースコープ」というインターネットリサーチを行うベンチャー企業を設立しました。インタースコープは2007年2月にYahoo! JAPAN とのM&Aにより、ヤフーバリューインサイト株式会社になりました。今までに「6社」の創業に携わったことになります。現在の会社(株式会社ドリームビジョン)は、2006年3月に設立しました。

独立を決意した経緯

 僕が初めて「起業」したのは1991年のことですが、1991年4月1日以降は商法(現在の会社法)が変わり、最低資本金が株式会社は1,000万円、有限会社は300万円になるタイミングでした。それで、その年の3月31日までに会社を設立しようという方がたくさんいたのですが、コンサルティングファーム時代の上司が商法改正前つまり1991年3月中に会社を登記するということで、その手続きを手伝わされたことがきっかけでした。その時、会社というものはこうやって創るのかということを知り、そして次の瞬間に思ったことは、「・・・ということは自分でも作れるんだ!!」ということだったのです。だったら、とりあえず創っておこうと思ったのが始まりです(笑)。

最初は、3年くらいは当時勤めていた外資の会社にいようと思っていたんですが、既に起業していた先輩達の話やお客さんだった企業の方々に会社を創ったという話しをしたところ、「だったら、こういう仕事があるからやってみる?」と言われたのです。そこで、自分の人生を考えた時、このままあと3年間(30才まで)、今の会社で仕事をするのと、苦労をしたとしても、今、飛び出して会社の経営をするのと、どちらが、自分の将来にとってプラスになるかを考えました。
どちらがプラスになるのかを考えるためには、自分が将来、どんな「生き方」をしたいのか?そのことを考える必要がありました。当時、27才だった僕は、30才以降の自分の人生をどうしたいかと考えた時、チャンスがあったら、自分で何か事業をやってみたいと思いました。

では、その目標を考えた時、この先の「3年間(30才まで)」をこのまま外資の広告代理店にいるのと、今、飛び出して起業するのと、どちらがプラスかを考えたのです。それぞれの立場で学べることを整理して、それが自分の目標にどうプラスになるかを、コンサルティングファームで学んだマトリックスで整理してみたのです。すると、何度やり直しても、今、飛び出した方がスコアが高いのです。それで、だったらやろう!!!と思いました(笑)。

但し、少しは悩みました(笑)。その当時、自分なりに考えて、一年間でどのぐらいの仕事が取れるかを考えてみたところ、約2,000万円でした。でも、打率10割というのはあり得ませんよね。自分は3割は打てないだろう、せいぜい2割5分だと思いました。ということは、500万円じゃないですか?最初は知り合いの会社に間借りさせてもらおうと思いましたので、それほどのお金は必要ではありませんでしたが、それでも、500万円では「半年」分にしかなりません。でも、僕は「半年は食べていけるんだ」と思ったのです(笑)。

英語で「half empty、half full」という言葉があります。これは、コップに水が半分入っているとして、それをまだ“半分も”入っていると思う人もいれば、もう“半分しか”ないと思う人がいるという意味です。私の場合は前者で、半分も入っていると思った、つまり半年は食べていけるんだと、だったらやってみようと考えたわけです。仮にやってみて失敗してもこの経験を買ってくれる人はたくさんいるだろうし、返せない借金さえ作らなければ、リスクは無いに等しい(得るものしかない)と思い、起業しました。

ワークポリシー

誠実に仕事をするということです。現在の主要事業は人材紹介ですので、売上を上げるためには、ひとりでも多くの人に僕らのクライアントである会社に転職してもらう必要我あるわけです。でも、中には転職しないほうがいいと思う方もいらっしゃいます。そのような時にはきちんとそのことをお伝えします。相手にとって本当にいいと思ったことしかお薦めしないようにしています。仕事に対する期待値が100ならば、私は常に、その期待値以上の「120」の仕事をしようと心がけています。お客様が求めるレベル以上の価値を提供することによって満足度が変ってきます。100のことに100を返しても、それでは顧客満足は得られません。お客様の期待値以上のものを提供することによって、お客様に評価されると考えています。

立地

この場所はたまたまです。ただ、縁はあるかもしれませんね。実は、僕が最初に創った会社のオフィスも原宿にありました。今のオフィスから徒歩1分ぐらいのところです。

それはともかく、オフィス選びには当然のことながら判断基準がありました。

ドリームビジョンの最初の事業として人材紹介事業を立ち上げようと思っていましたので、それなりに見栄えのするオフィスである必要がありました。また、僕らのクライアントはネット系のベンチャー企業を想定していましたので、場所もそのイメージに合うところでないといけないと考えていました。それから、オフィスビルですと保証金が家賃の10ヶ月ぐらいは必要だし、ミーティングルーム等を作るのにパーテーション等で100~200万円ぐらいはかかるので、それであれば、オフィスで使っても構わないオシャレなマンションの方がいいと思っていたところ、今のオフィスを紹介されたということです。内見して、すぐに決めました。

起業の苦労ややりがい

この会社は僕にとって「3度目の起業」にあたりますが、現在、フルタイムスタッフは私を含めて4名います。それぞれすごく優秀な人たちなので、いくらでも他に良い話があると思いますが、それにも係らず、スクラッチで会社を立ち上げるという極めて困難な選択肢を取ってくれたメンバーです。また、学生のインターンにしても、派遣社員の方にしても、とても優秀で魅力的な人たちで、そんなメンバーと出会い、一緒に働けることが一番良かったと思っていることです。苦労していることは、なかなか事業計画どおりには売上があがらないということです。我々が以前に何らかの人材ビジネスを経験していれば、だいぶ違ったとは思いますが、誰もそのような経験をしていないため、自分たちで試行錯誤しながら事業基盤を創っています。そこが苦労でもあるし、楽しいところでもあります。

また、今までの経験をふまえて申し上げますと、あらゆる組織について言えることだと思いますが、いかに「目的」や「理念」を共有できるか、またはその会社がやろうとしていることにふさわしい「カルチャー」を醸成できるか、ということが会社の浮沈を分ける一番のポイントだと思います。そこに関しては、創業者の「想い」や「意志」が大切になってきます。そして、それに対するこだわりを持ち続けていなければ、組織の「求心力」は薄まってしまうと思います。人数が少ないうちは気心が知れているので、それほど難しくないかも知れませんが、一般公募で集まってくる人たちが増えてくると、経営者がしっかりとした「理念」や「こだわり」を持ち続けていなければ、その組織の「求心力」を維持していくことは難しいと思います。そこが一番大切だと思っていますし、そこに私自身、そこに最もエネルギーを注いでいます。

悩み事・・・

先ほども申し上げたように、事業計画どおりに物事が進まないということです。そして、まだまだ能力やノウハウが足りないということです。

個人的なことで言えば、家庭の事情(子育て)で時間的な制約があることや、44才という年齢から来る体力の衰えに困っています(笑)。

10年後

とてもいい質問ですね(笑)。僕らが目指していることは、「イノベーション」を起こし続けられる組織になることと、「イノベーション」を実現することにより、新しい「社会的価値(事業)」を生み出していける組織になることです。時代の変化の中で求められる事業を生み出し運営していくプラットフォームのような会社を目指しています。ちょっと、抽象的ですかね(笑)。もう少し具体的に申し上げると、すべての事業活動は、個人の生き方に「イノベーション」をもたらす、つまり、人々の生き方に「多様性」をもたらせる企業になりたいと思っています。さらに具体的にいうと、組織の中で「イノベーション」を起こしたい(=新しいことをやりたい)という人には、それが実現できる環境をご紹介あるいは弊社で提供する、「起業」したい人には、それに必要な「資金・ノウハウ・人脈」等を提供するということです。そして、転職でもなく、起業でもなく、でも、自分のアイディアで「事業」を興したいという人々を対象として、それを具現化できるプラットフォームになりたいと思っています。言葉の定義にもよると思いますが、「起業」というと、何らかのアイディアを持った人が、自分ひとりで、あるいは、せいぜい数人で事業を立ち上げる、最初は手弁当で給料も取れずに、経済的に物凄い苦労をしながら事業を進めていって、ようやく形になってきたところで、ベンチャーキャピタル等から資金を調達できて、尚且つ、その中の極々僅かな人たちだけが成功する、というようなイメージだと思います。でも、事業の中には、最初からある程度の「資金」と「ノウハウ」と「チーム」が揃っていないと立ち上げられない(初期投資が大きい)ものがありますよね?現在は、それらの殆どは大企業の新規事業として立ち上げられていると思いますが、それは、その大企業の目指す方向性と合致している必要があり、そうでなければ具現化はできない(投資してもらえない)ですよね。そこを、インディペンデント(独立系)として、ドリームビジョンが支援していきたいと思っています。僕がインタースコープを創業し経営してきた中で学んできた「事業化・資金調達・組織運営」等のノウハウをもとに、さらに大きな事業にチャレンジしてみたいと思っています。

座右の銘

もちろん、あります。「人生は短い」「人生はすべて必然」「人生には勇気と自信が必要だ」という3つです。実は、最近になって「人生には感謝の心が必要だ」というものを付け加えましたので、4つですかね(笑)。実は、これらはいずれも私自身が自分でつくった言葉です。

まず、「人生は短い」ですが、35才になるまでは、持って生まれた才能は別として、人生における時間は青天井(無限)のような気がしていました。それが、35才になった時、仮に人生70才までだとしたら、もう半分過ぎてしまったといいうこと、更に言えば、20才から35才まで生きた時間がもう一度くると、僕は50才になるという事実に気づいた時、まるで目の前に「砂時計」を置かれたような心境になりました。

「あれもやりたい、これもやりたい」ではなく、「自分の人生を何に賭けるか(何をやるのか)?」を決めないと、何も「達成」できずに終わってしまうことに気づき、それ以来、「人生は短い」というようになりました。

2つ目の「人生はすべて必然」は、ある出来事を通じて、2003年11月に思いついた言葉です。「起業家」としての自分自身の能力を考えた時、それはおそらく下から数えたほうが早いと思います。でも、実際にアウトプットしてきた内容は、それ以上のレベルにあると思っています。では、その差は何かと考えると、私は「運」だと思っています。「起業家」といって思い浮かべるのは人それぞれだと思いますが、例えば、孫さんだったり、三木谷さんだったり、サイバーエージェントの藤田さんだったりするでしょう。でも、その人たちはあまりにも遠い存在のように感じられるかもしれません。しかし、僕であれば、自分も頑張れば平石さんがやっていることぐらいは出来るようになるはずだ!と思うだろうし、平石さんに出来て、なぜ、自分には出来ないんだ(出来ないはずがない)と思う人がいるだろうと思うんです。そして、もし、この世の中に「神様」という存在がいるとしたならば、神様が僕に「運」を授けてくれるのは、「お前が頑張ることによって、お前に続こうとする若い人たちを勇気づけるのが、お前の人生の『ミッション(意味)』だと言っているのではないかと思うようになったのです。それ以来、僕は、何か辛いことや困難があっても、3日以上は悩まなくなりました。神様は、僕に対して、その困難から何を学べと言っているのだろうか?と思うようになったということです。つまり、すべてのことに「意味」を見出そうとするようになりました。それで、「人生はすべて必然」と思うようになりました。

3つ目の「人生には勇気と自信が必要だ」は、実は私の父が生前、よく僕に言ってくれた言葉です。父は、僕に対して、常に、「いいか、人生には必要なものがふたつある。ひとつは『勇気』、もうひとつは『自信』だ」と言っていました。日本語で言われているわけですから、父の言葉の意味を表面的には理解していましたが、当時の僕は、その「本質」までは理解していなかったと思います。父の言葉の「本質」を考えるようになったのは私が起業してからですが、「自信」とは文字通り、「自分を信じること」だと思うようになりました。また、そうすればおのずと「勇気(気は勇む)」は出るということだと思うようになりました。人生には必ず良いことも悪いこともやってきます。しかし、そのすべてに意味があると考え生きていくことが出来れば、自分の人生に「意味を見いだす」、つまり「自分の人生には価値がある」と思えるのではないでしょうか。そして最近は、「人生には感謝の心が必要だ」と思うようになりました。

趣味・嗜好

ここ2年半くらいはゴルフをかなり一生懸命やっています。男子プロゴルファーで3年連続賞金王の片山晋吾さんのコーチをされている谷 将貴さんという方がいますが、その方がやっているスクールで教わっています。最近は、5~6回に1回ぐらいの割合で、80台で回れるようになりました。

(ゴルフを始めようと思ったきっかけは何かありますか。)

明確なきっかけがあったわけではないのですが、父親がゴルフをしておりまして、それに影響されたということはあると思います。僕が高校生の頃だったと思いますが、青木功さんがジャックニクラウスと死闘を演じた全米オープンを父親と一緒にテレビで見て、「カッコいいな!!」と感化されました(笑)。実際にゴルフを始めたのは、30才になったかならないかぐらいの頃だったと思います。

ベンチャーレポート読者へひとこと

ドリームビジョンの理念として「イノベーション」ということに拘っていますが、そこに込めた想いというのは、長いものに巻かれるのではなく、自分たちで何かを創り出そうということや、世の中の不条理や非合理的、非効率的なことを、「知恵」と「技術」、そして、「意志」「情熱」「愛情」、そして、「感謝の心」を持って「イノベーション」を起こし、新しい社会的価値を創造していこうということです。何か自分の中でやりたいことがあるのなら、リスクに目を向けるのではなく、チャンスに目を向けて、どうやったらそれが実現できるかという所に、エネルギーや時間を投下して欲しいと思います。

一言でいいますと“価値を生み出す人”になって欲しいということです。

これは、僕の考え方ですが、世の中には、「自分で価値を生み出す人」「誰から生み出した価値を評論する人」「誰かが生み出した価値を浪費する人」の3つのタイプがいると思います。その中で、「自分で価値を生み出す人」になって欲しいということです。

私自身もそうでありたいし、そうあり続けたいと思っております。

これから起業する方へのメッセージ

ここ1~2年の様々な不祥事もあり、最近はベンチャーというと、ネガティブなイメージや評価があると思います。自分自身も以前はそういうところがありましたので、一概に否定は出来ませんが、やはり、単に「儲けたい」とか「一発当てたい」だけでは、どこかで躓くのではないかと思います。 「事業」というものは、何かやりたいことがあって創めるわけですし、その事業を運営するために「会社」を設立するわけです。そこには、当然のことながら「利益追求」という目的があるし、利益が出なければ会社は倒産してしまうわけですが、経済的なリターンだけではない、社会的な意義や「何らかの志」を持って創めて欲しいですね。

 

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